2010 Fiscal Year Annual Research Report
雄の配偶履歴に依存した雌の配偶者選択:時間的制約下におけるコピー戦術の進化
Project/Area Number |
09J04260
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松本 有記雄 長崎大学, 生産科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 性淘汰 / 配偶者選択 / Mate-choice copying |
Research Abstract |
オスの配偶成功は性的二型などの質に依存するが、多くの研究で予想よりも配偶成功に極端な偏りが観察されることがある。この原因の1つに非独立型配偶者選択が挙げられる。メスは非独立型配偶者選択によって、自身でオスの質を評価せずに、他個体の配偶者選択を真似て同じオスを選ぶため、質に差がなくても他メスと同じオスを選択したり、通常の選択の基盤となるメスの遺伝的な好みとは逆の特徴を持つ相手さえ選ぶことがある。 21年度の調査で、ロウソクギンポ・メスの配偶者選択を野外で追跡したところ、ペア産卵中の巣周辺に長時間定位し、その後同じ巣に産卵することが確認された。さらに、オスの求愛行動がないにもかかわらず、メスは無理やりペア産卵に割り込み産卵に至ったことから、求愛を指標とした通常の配偶者選択とは明らかに異なることが分かった。この行動が非独立型の配偶者選択によるものなのか?単に何らかの高い質を持つオスが多くのメスを惹きつけているだけなのかを明らかにするために野外操作実験を行った。実験では、通常選択されることがない前日の配偶成功がないオスとモデルメスを強制的にペア産卵させ、その後の配偶成功を近接する前日の配偶成功があるオスと比較した。その結果、モデルメスが産卵している巣周辺に1~3個体のメスが定位し、そのうちの数個体は実際に産卵に至った。22年度は、上記の野外操作実験を追加実験し、統計解析可能なサンプル数まで増やした。その結果、本種メスは他のメスの非独立型配偶者選択を行なっていた。非独立型配偶者選択によって選択されたオスの配偶メス数は、通常の配偶者選択を介するよりも極端に多いことから、これは性淘汰において大きな影響を及ぼすと考えられる。
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Research Products
(3 results)