2009 Fiscal Year Annual Research Report
チャンネル結合を考慮した非摂動カイラル理論によるハドロン反応
Project/Area Number |
09J04269
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 翔 Osaka University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ストレンジネス / ハドロン反応 / エキゾチックハドロン / オランダ |
Research Abstract |
私は、当該年度において1、Φ中間子光生成と2、Λ(1520)光生成をチャンネル結合K行列という一つの枠組みで研究を行った。これらの反応のしきい値はだいたい2GeV領域であり、このエネルギー領域では様々なハドロンチャンネルが開くことから、チャンネル結合の効果が重要であることが予想される。特に我々が注目した効果はt-channelにおけるK中間子のon-shellの効果とストレンジネス、反ストレンジネスペアを多く含んだ核子共鳴の寄与である。結果として、on-shellのK中間子の寄与はそれほど大きくはなかったが、核子共鳴の寄与とPomeronの干渉効果が重要であることがわかった。この核子共鳴はΦN状態やKΛ(1520)状態と強く結合することから、ストレンジネス、反ストレンジネスを多く含んでいることが考えられ、エキゾチックなバリオンであることが示唆される。現在ハドロン物理では、クォークが4つ、あるいは5つからなる、エキゾチックなハドロンに世界的な関心が集まっている。今回の我々の研究成果は、ストレンジネスの光生成において、このようなエキゾチックなハドロンが重要な寄与を果たしていることを示唆するものであり、様々なストレンジネス光生成に対する応用が期待される。 また私はK*光生成において、Regge模型を用いて研究を行った。そこでは、Regge粒子の寄与がストレンジネス光生成に重要な寄与を与えていることが分かった。
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Research Products
(15 results)