2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能不全リボソームを選択的に分解する新たな品質管理機構
Project/Area Number |
09J04272
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂田 知子 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リボソーム / 品質管理 |
Research Abstract |
昨年報告したように、出芽酵母において活性の弱い変異型リボソームタンパク質Rpl28(K110A)が分解される際、K110A変異体を含むリボソームの一部がユビキチン化されるという結果を得ており、これはリボソーム全体が以上を認識、分解されると考えていた。しかし変性状態で免疫沈降してユビキチン化を検出したところ、K110A変異体自身がユビキチン化を受けている可能性が高くなった。リボソーム全体が品質管理を受けていることを示すことが難しいため、このRpl28変異体の研究はここで中断することとした。 25S rRNA,18SrRNAは選択的に分解されることが知られている(Nonfunctional rRNA decay:NRD)。当研究室では、E3ユビキチンライゲース複合体の構成因子である、MMS1pとRtt101pが25S rRNAのNRDに必要であること、機能不全リボソームが分解に先立ってユビキチン化されることを明らかにしているが、機能不全リボソームがどのように認識されるのかという重要な点が不明だった。研究目標である機能不全リボソーム分解機構の解明のため、この基質認識メカニズムの研究に取り組んだ。まず、MMS1pとの結合が報告されているたんぱく質の中から探索したところ、CRT10遺伝子欠損株では25S rRNAのNRDが阻害されていることがわかった。MMS1遺伝子欠損株と同様に、CRT10遺伝子欠損株では機能不全リボソームのユビキチン化が減少していたことから、このCRT10pが基質認識サブユニットであると考えられる。しかしCRT10pとリボソームとの直接の結合はほとんどみられず、何らかの因子が介在していると考えられたことから、CRT10pと特異的に結合するたんぱく質を探索した。CRT1OpやMMS1p、Rtt101pは発現量が非常に低いことから、MMS1-Flag,CRT10-HAの二段階で免疫沈降し、質量分析を行った。その結果、いくつか興味深いたんぱく質が同定されており、CRT10pとリボソームをつなぐ仕組みが解明されるものと期待される。
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Research Products
(2 results)