2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能不全リボソームを選択的に分解する新たな品質管理機構
Project/Area Number |
09J04272
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂田 知子 Kyoto University, ウイルス研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リボソーム / 品質管理 / ユビキチン |
Research Abstract |
一年目は、出芽酵母ノックアウトライブラリーを用いて、K110A-GFPを蓄積する株をGFP蛍光を指標に探索した。しかし非必須遺伝子約6000株を解析したが、明確にK110A-GFPを安定化する変異体は得られなかった。そのため蛋白質分解の下流から解析することに方針を変更した。主な蛋白質分解経路には、オートファジーとユビキチン・プロテアソーム系がある。オートファジー必須遺伝子欠損株ではK110A変異体は分解されたが、プロテアソーム温度感受性株ではK110A-GFPが安定化した。このことからK110A変異体はユビキチン・プロテアソーム系によって分解されていると考えられるが、K110A変異体自身がユビキチン化されている様子はみられなかった。そこでRp128-FlagをFlag抗体で免疫沈降し、共沈降する蛋白質のユビキチン化をウェスタンブロットにより調べた。その結果、野生型Rp128-Flagで免疫沈降した際には見られないユビキチン化バンドが、K110A-Flagで免疫沈降した場合には強く現れていた。このユビキチン化蛋白質は、K110A変異体自身ではなかった。K110A変異体が分解されるに先立って、まず同一複合体内の別の蛋白質がユビキチン化され、それがシグナルとなって全体が分解されている可能性がある。申請書を提出した時点では、翻訳伸長阻害剤シクロヘキシミドによってK110A変異体が安定化するという結果があったが、その後この結果は再現性が低いことがわかった。しかし、K110A変異体を含むリボソームがユビキチン化を受けていることから、やはりリボソーム複合体として認識、分解されていると考えられる。今後、このユビキチン化蛋白質を精製、質量分析によって同定し、分解の過程を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)