2009 Fiscal Year Annual Research Report
高分子電解質ブラシ表面の水界面における分子鎖特性解析と生体成分との相互作用評価
Project/Area Number |
09J04277
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺山 友規 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリマーブラシ / スルホベタイン / 中性子反射率測定 / 重合制御 |
Research Abstract |
今年度は、申請書の研究計画に基づき、「高分子電解質ブラシの調製方法の確立」と「調製したポリマーブラシの表面特性・分子鎖特性」について評価を行った。 両性高分子電解質の1種であるスルホベタインは、これまでにポリマーブラシを調製した例はあるが、精密な重合制御を行い分子量分布の狭いポリマーブラシを調製した例は無かった。そのため、重合条件の最適化を行い、分子量分布の狭いポリマーブラシを調製することを可能にした。精密な表面特性・分子鎖特性を評価するためには分子量分布の制御は不可欠であることから、この度得られたデータは非常に意義が深い。(論文投稿予定) また、調製したポリマーブラシの表面特性・分子鎖特性を評価するために、中性子反射率(NR)測定を行った。これまでに、乾燥状態の薄膜についてはNR測定により構造解析が行われたきたが、良溶媒中におけるポリマーブラシ薄膜の膨潤状態のような高分子ソフト界面の構造解析については、前述したポリマーブラシの調製条件や中性子ビームの強度の問題で、精密な構造解析は達成されていない。今年度は、大強度陽子加速器J-Parcのビームを利用して、ポリマーブラシの水界面における膨潤状態の評価を行った。現在、測定条件の最適化・解析方法の確立を行っているところである。 来年度は、これらの測定を引き続きを行い、測定条件の最適化・解析方法の確立を行う。また、原子間力顕微鏡や光散乱測定等行い、ポリマーブラシの膨潤状態についてより詳細に行う予定である。
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