2010 Fiscal Year Annual Research Report
受容体膜蛋白質の可視化とその制御を用いた新技術の開発
Project/Area Number |
09J04283
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 亜矢子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 膜タンパク質 / 可視化 / FALI / 機能阻害 / アストロサイト |
Research Abstract |
膜タンパク質は,外界からのシグナルを受け細胞内へと情報を伝える重要な働きを担っている。膜タンパク質の機能と動態を解析することは,細胞間相互作用が機能の中核となる脳神経系の解析においては最重要課題の一つであると言える。特に,特定のシナプスでの局所機能について時間的・空間的に理解することが必要であり,新規解析手法の開発が求められている。 初年度は,(1)細胞株を用いた実験系での局在解析に有効な新規可視化法の確立,(2)微細領域での機能阻害を可能とするFALI法の開発を行った。本年度は,その可視化法およびFALI法を神経系の細胞に適用して,新技術が膜タンパク質の挙動および機能解析に有効であることを明らかにした。 本年度は,初年度に確立した膜タンパク質新規可視化法を神経系の細胞(海馬分散培養系,アストロサイト培養系)に適用した。神経細胞を用いた分散培養でも,特異的に代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1)を可視化できる事を確認した。膜上に発現したmGluR1を可視化できただけでなく,タグを付加した分子が樹状突起に局在化する性質を保っており,またタイムラプスイメージングにおいて樹状突起を細胞体方向へと動く様子が確認できた。従って新規可視化法は,分子動態の解析にも有用である。 また,初年度に行ったFALI法を内在性タンパクの機能阻害に利用できるかどうかを,mGluR1発現細胞において評価する為の培養系の確立行った。50日齢のマウスの視床下部から,アストロサイトを培養し,GFAP陽性である事を確認した。グルタミン酸刺激によりカルシウムシグナルの上昇が認められ,内在性受容体の機能を確認した。
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Research Products
(3 results)