2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04309
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 潤也 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | LES / 乱流燃焼 / 超音速流 / プラズマ / スクラムジェット / 数値解析 / 乱流混合 / 着火 |
Research Abstract |
平成21年度は本研究課題の基盤となるLESコードの作成を行った。まずは非燃焼、理想気体の空気一成分という単純化したコードの作成を行い、コードの妥当性の検証を行った。非常に簡単な流れ場である超音速平板乱流境界層の計算を行い、乱流境界層の非定常挙動を再現することができ、また、平均分布や乱流変動特性が実験値とよく一致することを確認した。この段階で、計算精度が高い時間および空間差分手法を導入し、予測精度を向上させた。次に、スクラムジェット燃焼器内での燃料噴射場を模擬した超音速流中に壁面から垂直に空気を噴射した流れ場の計算を行い、燃料模擬空気の乱流混合の予測精度の検証を行った。計算結果はPLIFやPIVなどのレーザー計測やガスサンプリング計測などの実験結果と比較した。その結果、今回作成したLESコードが従来の時間平均場を解くためのRANSコードよりも平均噴射気体濃度分布が実験値とよく一致し、噴射気体の乱流混合の予測精度の高さを確認できた。また、時間平均分布だけでなく、標準偏差分布や確率密度分布、空間相関分布などの乱流統計量に関してもPLIF計測結果とよく一致した。以上の結果より、今回作成したLESコードの妥当性および有用性を十分に確認できた。さらには、LES計算から得られる大規模な非定常三次元データの解析コードの作成も行い、膨大なデータから噴射気体の乱流混合過程に重要な情報の抽出手法を確立させた。解析結果から、噴流周りに形成される三次元渦構造を明らかにし、乱流混合メカニズムの把握に重要な情報を得ることができた。 平成22年度は今回作成したLESコードを基盤として多成分コードに拡張する。さらに燃焼反応モデル、乱流-燃焼干渉モデルの選定を行い、燃焼LESコードを作成する予定である。
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