2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04322
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤森 崇夫 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 機能性材料 / ポリオール / ホウ素 / ^11B NMR / 分子軌道計算 |
Research Abstract |
ホウ素は動植物にとって必須微量元素であるが、多量摂取は有害である。主要な海水淡水化法の一つである逆浸透膜法において、処理水へのホウ素の漏出が重要な問題となっている。したがって、ホウ素選択性吸着剤の開発が求められている。そこで、ホウ素と錯形成できるポリオールの中で、隣接する水酸基が互いにcisに配置した五員環糖を用いて吸着剤開発のための基礎研究を行った。また、1位の炭素に異なる置換基をもつ誘導体を用いて、置換基効果についても検討を行った。平成21年度は、生物の構成成分であるD-リボース誘導体の4種のnucleoside(adenosine、cytidine、uridine、5-methyluridine)とmethyl-β-D-ribofuranoside(MRF)について、^11B NMR法および分子軌道計算によりホウ素吸着剤としての可能性を検討した。^11B NMRスペクトルより得られた1:2錯体の生成定数は10^5を超え、現在ホウ素吸着剤として用いられているN-methylglucamine樹脂の官能基であるN-methyl-D-glucamineと同等の安定な錯体を生成した。また、各1位の炭素に結合した置換基の効果は錯生成定数として数倍の差を与えた。これは嵩高い置換基による立体障害が原因と考えられる。これについては^<13>C、^1H NMRを測定するなどして溶液内構造を調べるなど、今後より詳細な研究を行う必要がある。五員環ポリオールとホウ酸の錯体としてホウ酸-MRF系を用いて1:1、1:2錯体の安定構造を分子軌道計算により予測し、化学シフト値を見積もった。理論値は実測値をよく再現するものであった。分子軌道計算により、リボフラノースの2、3位の酸素原子間距離が錯生成に重要であることがわかった。
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Research Products
(3 results)