2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04329
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小関 祥康 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アーベル多様体 / Rasmussen-Tamagawa / tame inertia weight |
Research Abstract |
RasmussenとTamagawaにより提唱された、「ある「良い」性質を持つ代数体F上のg次元アーベル多様体の同型類が有限個しか存在しない」、という予想について考察をした。このようなアーベル多様体の同型類の個数の有限性に関する問題は、Faltingsにより解決したShafarevich予想に代表されるように、古くから考えられてきた興味深い問題である。 上に述べたRasmussen-Tamagawa予想は、基礎体Fや多様体の次元gが特別な場合であったり、Generalized Riemann hypothesis(GRT)と呼ばれる有名な予想を仮定した場合にしか解決されていなかった。 本年度の研究において、整p進ホッジ理論と呼ばれる近年発展してきた理論を用いて得られた結果を用いることで、私はこの予想をより一般にガロア表現の非存在性予想として定式化し、semistable表現と呼ばれるものに限ると非存在性が成り立つことを証明した。このことにより、予想がsemistable還元を持つ場合に正しいことが確認できた。これはGRTのような予想を必要としていないことから、有意義な結果といえる。 今回ガロア表現を用いて一般的な形で証明したことにより、Rasmussen-Tamagawa予想以外の問題へのアプローチが可能となった。 例えば、1次元のアーベル多様体である楕円曲線に付随する法1表現の既約性という古典的かっ重要な問題へのアプローチを試みることができ、新しい結果を得ることが出来た。その他にも、代数多様体のエタールコホモロジーと呼ばれる数論幾何に於いて非常に重要なガロア表現にも応用が出来るということが確認できた。
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Research Products
(3 results)