2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04329
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小関 祥康 九州大学, 大学院・数理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アーベル多様体 / Rasmussen-Tamaawa / ガロア表現 |
Research Abstract |
2008年にRasmussenとTamagawaにより提唱された、「ある「良い」性質を持つ代数体F上のg次元アーベル多様体の同型類が有限個しか存在しない」、という予想について考察をした。このようなアーベル多様体の同型類の個数の有限性に関する問題は、Faltingsにより解決したShafarevich予想に代表されるように、古くから考えられてきた興味深い問題である。 上に述べたRasmussen-Tamagawa予想は、基礎体Fや多様体の次元gが特別な場合であったり、Generalized Riemann hypothesis (GRT)と呼ばれる有名な予想を仮定し,た場合にしか解決されていなかった。また、昨年度の研究において、予想がsemistable還元を持つアーベル多様体に限った場合に正しいことが確認できた。 今年度の研究では「アーベル多様体に付随するガロア表現がアーベル表現」という仮定の下で予想が正しいことを証明した。この結果は、GRTのような難しい予想を必要としていない結果であることから、有意義な結果といえる。 今年度の結果は、本質的にはRasmussen-Tamagawa予想を、CMを持つようなアーベル多様体に限ったときに意味を持っており、その場合についての新しいアプローチを得ることが出来たことになる。さらにこの結果は特に予想の1次元の場合、すなわち楕円曲線の場合に、分かりやすい形で記述することが出来た。
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Research Products
(6 results)