2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗真菌性ポリエーテル分子ガンビエル酸の効率的全合成と機能解析
Project/Area Number |
09J04348
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
局 興一 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガンビエル酸類 / 全合成 / アルドール反応 / 脱水環化反応 / Julia-Kocienski反応 |
Research Abstract |
・ガンビエル酸類のGHIJ環部の効率的合成 ガンビエル酸類の全合成にむけて、まず、GHIJ環部フラグメントをアルドール反応によるフラグメントの連結と脱水環化反応を鍵反応として合成することにした。 まず、1,3-プロパンジオールから24段階でJ環部メチルケトンを合成し、文献記載の方法に従い調整したG環部アルデヒドとのアルドール反応による連結を試みた。種々検討した結果、ホウ素エノラートを用いた条件が最も良い結果を与えることを明らかにした。次に、H環部に相当するジヒドロピロン環の構築を試みた。その結果、ジケトンに対する脱水環化反応がジヒドロピロン環の構築に適していることを見出し、さらに、これまでに報告されていない新規な脱水環化反応の条件(PPTS,MeOH,80℃)が最も良い収率でジヒドロピロン環を与えることを明らかにした。次いで、I環部の構築を中田らによって報告されている手法に従って行い、GHIJ環部フラグメントの合成を達成した。 ・分子右側側鎖の合成研究 ガンビエル酸類は分子右側に、三置換オレフィンとそのアリル位に不斉炭素を持つ特徴的な側鎖を有しており、その合成の困難さから、これまでに全合成に有用な右側側鎖の導入方法は報告されていない。そこで、筆者はモデル化合物を用いて右側側鎖の導入方法の検討を行った。その結果、第二級スルホンとアルデヒドを用いたJulia-Kocienski反応による三置換オレフィンの合成が適していることを見出した。さらに、スルホンに対してアルデヒドを過剰量用いることで、合成の最終段階で予想される低濃度の反応条件において、この方法が適用可能であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)