2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗真菌性ポリエーテル分子ガンビエル酸の効率的全合成と機能解析
Project/Area Number |
09J04348
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
局 興一 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガンビエル酸 / 全合成 / 抗真菌活性 / Julia-Kocienski反応 |
Research Abstract |
・J環部側鎖導入方法の検討 ガンビエル酸類は分子右側に、三置換オレフィンとそのアリル位に不斉炭素を持つ特徴的な側鎖を有しており、その合成の困難さから、これまでに全合成に有用な右側側鎖の導入方法は報告されていない。筆者は三置換オレフィンの立体選択的な構築に、第一級スルホンとメチルケトンを用いたJulia-Kocienski反応が適しているのではないかと考え、まず、モデル化合物を用いて反応条件の検討を行った。その結果、塩化セリウムの添加がこの反応の収率およびE/Z選択性の向上に極めて効果的であり、目的の三置換オレフィンを80%の収率(E/Z=1.6:1)で与えることを見出した。これまでに塩化セリウムを用いたJulia-Kocienski反応の報告例は無く、今回得られた知見は全く新しいものである。 ・右側側鎖を含むGHIJ環部フラグメントの合成 前年度までに合成を達成したGHIJ環部の右側部分をメチルケトンへと誘導後、モデル実験で最適化を行った反応条件でJulia-Kocienski反応を行い、目的の(E)-オレフィンを優先的に得ることに成功した(E体:58%,Z体:18%)。これにより文献既知のエポキシアルコールから37段階で側鎖を含むGHIJ環部フラグメントの収束的な合成を達成した。
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Research Products
(5 results)