2009 Fiscal Year Annual Research Report
波長選択性熱放射を用いた量子共鳴励起による化学反応促進
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09J04382
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
前神 有里子 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Keywords | メタン水蒸気改質反応 / 水素 / 波長選択性熱放射 / 量子共鳴励起 / 表面周期微細構造 |
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| Research Abstract |
水素を生成するために工業的に最も用いられるメタンの水蒸気改質の効率を向上させることを目的に、波長選択性熱放射を用いた共鳴振動励起による化学反応促進のメカニズムを実験と数値解析を用いた多角的な視点から解明をする。
本年度、実験においては、メタンの水蒸気改質において改質ガスの正確な定量化を行うために、圧力損失の少ない体積式流量計を購入し、測定装置の一部として全体の実験構成に取り入れた。また、これまでの研究から主成分である水素の生成に伴って一酸化炭素および二酸化炭素の生成も確認されているが、ガスクロマトグラフにおける測定分析の前段階で水分除去を行うとき、二酸化炭素が同時に溶解し流出している可能性が示唆されており改良を進めた。今後、波長選択性熱放射環境下における反応過程と赤外吸収によるフォノン振動準位分布との影響を検討していく。
解析においては、通常の約5000倍の計算速度を持つ長時間で大規模計算が可能なTight-Binding量子分子動力学(QCMD)法を用いて、メタン分子が持つ特定の波長域(3039cm^<-1>)に光を照射し振動励起状態における反応の素過程について計算を進めた。電子の移動を扱うことができるので結合の解裂や生成伴う化学反応ダイナミクスを有限温度下で解析することが可能であり、実験と解析の条件を合わせるために厳密なパラメータの調整を行った。既に、分子動力学(MD)法ではメタン分子に光を照射した場合の振動励起状態における分子内の原子間結合距離の挙動は確認した。今後、熱放射によるに光励起と反応する分子の振動励起との関係を明らかにし、分子結合状態のダイナミクスの解析を行う。
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