2009 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子光デバイスを指向した新規量子ドットナノ複合体の創製
Project/Area Number |
09J04446
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
崔 世聡 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子ドット / 光物性 / ナノ粒子 / 太陽光発電 |
Research Abstract |
半導体および金属ナノ粒子は、ナノテクノロジー、バイオ医療、環境・エネルギーなどの研究分野におけるキーマテリアルのひとつであり、これらの領域への応用の可能性を探り実用化を検討することは、安全で豊かな社会の創成とその持続的発展を目指す上で重要な研究課題である。本研究では、発光性の半導体量子ドットをベースとする新規ナノ複合体を構築し、異種物質間の相互作用および電子・エネルギー移動反応過程を単一粒子レベルで観測することで、光電変換デバイス開発への指針を得ることを目的とした。電子受容体としてピロメリットイミド誘導体を合成し、CdSe/ZnS量子ドット表面にカルボン酸を介して修飾することで、CdSe/ZnS量子ドット-ピロメリットイミドナノ複合体を形成させた。アンサンブルレベルでのフェムト秒過渡吸収測定により、ナノ複合体における光誘起電荷分離状態を直接観測した。また、蛍光寿命測定から、ナノ複合体における電子移動速度の溶媒極性依存性を詳細に検討し、電子移動反応速度が溶媒極性の減少に伴い増大することを見出した。さらに、全反射蛍光顕微鏡を用いてCdSe/ZnS量子ドットの単一粒子発光観測を行った。ナノ複合体の発光明滅現象における溶媒極性依存性の解析から、電子移動反応の効率が溶媒極性の減少によって増大することを明らかにした。以上の結果はバルク系から得られた実験結果と定性的に一致していることから、単一分子分光測定により界面電子移動反応の観測が可能であることが示された。
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Research Products
(2 results)