Research Abstract |
本研究の目的は,NPO,政府,企業の3つの異なるセクターに属する組織間の戦略的協働がいかにして形成・実行されているのかを理論的・実証的に解明し,実践的指針を提示することである。 本年度は,NPO,政府,企業間の戦略的協働の定性的研究をつうじて,NPO,政府,企業間の戦略的協働の特徴に関する仮説命題を析出することを目的として行った。具体的には,NPO,政府,企業間の事例研究の再検討,および比較研究を行った。本年度の研究実績は,以下のとおりである。 4月~7月:(1)NPO,政府,企業間の戦略的協働に関連する文献を渉猟し,戦略的協働の特徴および比較研究の方法の検討を行った。(2)NPO,政府,企業間の戦略的協働の事例研究の再検討,および比較研究を開始した。 8月~10月:(1)複数のNPO,政府,企業間の戦略的協働に関する相違点と共通点に関する仮説命題の析出を行った。(2)比較研究の結果を,学会で報告した。 11月~3月:(1)NPO,政府,企業間の戦略的協働の比較研究を継続して行った。(2)事例研究と比較研究の内容を再検討した。(3)NPO,政府,企業間の戦略的協働のプロセス,ならびに析出した仮説命題を定量的に検証するための方法について検討を開始した。 本年度に行った事例研究および比較研究をつうじて,NPO,政府,企業間の戦略的協働の特徴として,2つの相違点と6つの共通点を仮説命題として析出した。析出した仮説命題のうち,戦略的協働の共通点に関する仮説命題は,戦略的協働の一般的な特徴に関する仮説命題と戦略的協働の実現可能性に関する仮説命題の2つに区分された。
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