Research Abstract |
本研究の目的は,NPO,政府,企業間の戦略的協働が,いかにして形成・実行されるのかを理論的・実証的に解明し,実践的指針を提示することである。 本研究は,平成21年度と平成22年度の2カ年にわたる研究である。本年度は,昨年度に行った研究の成果を踏まえ,次の3点を目的に研究を行った。(1)これまでの研究から析出されたNPO,政府,企業間の戦略的協働に関する仮説命題を精緻化すること。(2)複数のNPO,政府,企業間の戦略的協働における相違点を明らかにすること。(3)析出された仮説命題を定量的に検証すること。本年度の研究実績は,以下のとおりである。 4月~7月:収集されたデータ,および事例分析の結果を再検討し,NPO,政府,企業間の戦略的協働に関する一般的な特徴(共通点)の析出を試みた。あわせて,異なるセクターに属する組織間の戦略的協働に関する先行研究や研究方法に関する文献を渉猟し,定量的に検証する方法を検討した。定量的に検証する方法について検討を行った結果,NPO,政府,企業間の戦略的協働のプロセスを解明するには,定性的研究が適切な方法であると考えられた。 8月~11月:複数の事例においてみられた共通点について継続して検討を行った。また,事例の分析結果においてみられた事例間での顕著な差異について検討を行った。 12月~3月:これまでに行った研究から析出されたNPO,政府,企業間の戦略的協働に関する仮説命題の整理・検討を行い,研究成果として公表するための準備を行った。 本年度に行った研究をつうじて,NPO,政府,企業間の戦略的協働に関する特徴として,(1)戦略的協働の一般的な特徴に関する2つの仮説命題と,(2)戦略的協働の実現可能性に関する8つの仮説命題が析出された。また,NPO,政府,企業間の戦略的協働の相違点に関する新たな仮説命題が析出された。
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