2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04498
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢口 義朗 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ブレイド群 / カンドル / Hurwitz作用 / Hurwitz軌道 / ブレイドシステム / アルチン群 / コクセター群 / ブレイド状曲面 |
Research Abstract |
本研究の目的は、カンドルの直積の元、特にブレイド群の直積の元におけるHurwitz作用の軌道(以下Hurwitz軌道と呼ぶ)を求めること、または固定部分群を求めることや、それを低次元トポロジーへ応用することです。 平成21年度は、「研究実施計画」通り、標準的生成元の組におけるHurwitz軌道を完全に求めることに成功しました。 一方、一般的な群の直積の元におけるHurwitz軌道は、ある具体的なアルチン群の標準的生成元の組におけるHurwitz軌道を調べることで、全体像がある程度把握できる、という視点を切り開くことができました。(アルチン群は、ブレイド群の自然な拡張であり、逆にブレイド群は、最も基本的なアルチン群として位置づけられています。) また、ブレイド群以外のアルチン群の場合のHurwitz軌道も、(既に求めることが出来た)ブレイド群の場合のHurwitz軌道を"平行移動"して、比較的容易に扱える場合があることに気が付きました。(特に、「研究実施計画」にあるコクセター群に対応するアルチン群の場合については、"平行移動"が非常に有効であり、コンピューターを使うときの計算の労力が軽減されました。) したがって、ブレイド群の標準的生成元からなるブレイドシステムの軌道を求めたことは、期待以上の意義、重要性を持つこととなりました。 なお、低次元トポロジーへの応用の一つとして、ブレイド群の標準的生成元からなるブレイドシステムをモノドロミーの情報として持つブレイド状曲面どうしは、すべて「共役」という操作で移りあうことがいえました。
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Research Products
(8 results)