2009 Fiscal Year Annual Research Report
Orphan GPCR、LGR4の外胚葉組織の発生・分化における機能解析
Project/Area Number |
09J04519
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
毛利 泰彰 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Orphan GPCR / LGR4 / 腎臓 / 輸卵管 / 子宮 / 乳腺 |
Research Abstract |
本研究室で所持しているコンディショナル型のLGR4 KOマウスを利用し、部位特異的にLGR4を欠損させることでまだ明らかとなっていないLGR4の各部位・各組織(腎臓、輸卵管、子宮、乳腺)での機能解析を行いLGR4の研究の様々な分野への応用の可能性を探った。さらに各組織での詳細な機能解析を行う事で、LGR4の担う分子メカニズムも解析した。 1、腎臓におけるLGR4の機能解析 LGR4遺伝子欠損マウスが腎臓の矮小化を示し、胎生/新生児致死を示す事が明らかとなっていたものの、その詳細については全く不明であった。そこで腎臓発生におけるLGR4の詳細な機能解析を行った。その結果、LGR4が尿管芽と呼ばれる管構造の未分化状態を維持する事に必須の機能を持つ事を明らかとし、論文を投稿した(under review)。 2、輸卵管及び子宮におけるLGR4の機能解析 輸卵管及び子宮でLGR4を欠損させたマウスは生殖能が著しく低下し、不妊となった。 これに関しては、 A)輸卵管内で受精卵の生育が阻害される B)子宮において受精卵着床の際に起こるはずの反応(脱落膜化)が起こらない 事が原因である事を明らかにした。 A)に関しては論文投稿し、現在Reviseの実験中である。 B)に関しては、Bmpシグナルの異常が見られており、現在これとの相関性に関して詳しく解析している。 3、乳腺におけるLGR4の機能解析 乳腺は毛(毛包)同様に皮膚を起源とする代表的な外胚葉器官である。表皮組織特異的にLGR4を欠損されたマウスにおいて、毛包に異常が見られておりこれに関しては既に論文にて報告済みである。一方でこの表皮組織特異的にLGR4を欠損されたマウスでは、乳腺の発達が遅れている事を発見し、乳管構造の発達におけるLGR4の機能に関して現在検討中である。
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Research Products
(3 results)