2010 Fiscal Year Annual Research Report
開化期・植民地期の朝鮮におけるミッションの医療活動と出産・育児の変容に関する研究
Project/Area Number |
09J04567
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
入江 友佳子 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植民地朝鮮 / 産育 / 医療宣教 / ミッション |
Research Abstract |
(1)韓国と日本における史料収集 本年度は、日本(東京2回、京都1回)において計3回の史料調査を行った。前年度に引き続き、1910-30年代朝鮮・京城の東大門婦人病院と泰和女子館の史料収集に努めた。アメリカで史料収集を行う予定であったが、泰和女子館の年次報告書"The Social-Evangelistic Cente, Seoul Korea"の一部がアメリカのコロンビア大学でデータ化されており、添付ファイルで受け取ることができた。しかし前年度に引き続き、東大門婦人病院を見つけることはできなかったことや、泰和女子館についても年次報告書以外の史料を見つけることができなかったことで、史料収集の限界を感じざるを得なかった。こうした状況で、ミッションだけでなく、朝鮮総督府による乳幼児健康事業についての史料を収集することを試みた。そして『朝鮮社会事業』や乳幼児健康事業に携わった生江孝之の論稿、朝鮮総督府による人口統計を分析し、学会で発表した。 (2)発表と投稿 収集した史料をもとに、2010年11月に行われたアジア教育学会第5回大会で発表を行った。 大韓医史学会雑誌『医史学』に論文を投稿した。 また、セブランス病院の医師ヴァンバスカークが著した『嬰児養育』に関する論稿を投稿した。現在査読中である。 (3)研究の方向性の修正 本年度の後半から、研究の新しい視点として、医療宣教とかかわりのある京城孤児院に関する調査をはじめた。京城保育院は、セブランス病院の朝鮮人医師を中心に設立された。孤児院に着目し孤児や棄児への眼差しを分析することで、新しい育児や子ども観が朝鮮に流入する過程を見ることができる。今後、医療宣教とかかわりのある社会事業に関する研究へと発展させたいと考えている。
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Research Products
(2 results)