2009 Fiscal Year Annual Research Report
開化期・植民地期の朝鮮におけるミッションの医療活動と出産・育児の変容に関する研究
Project/Area Number |
09J04567
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
入江 友佳子 Kyushu University, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 植民地朝鮮 / 産育 / 医療宣教 / ミッション |
Research Abstract |
(1)韓国と日本における史料収集 韓国(ソウル3回)と日本(東京2回、名古屋1回)において計6回の史料調査を行った。本年度は東大門婦人病院が1910-30年代に行った乳幼児健康事業に関する史料を中心に収集することを目的とした。東大門婦人病院の年次報告書は見つからなかったが、病院を管理していた米北監理会海外女性宣教会の年次報告書や看護婦会報を収集した。 韓国と日本における本年度の史料収集の意義は、まず日韓における東大門婦人病院とセブランス病院に関する史料の保存状況を把握できたことである。東大門婦人病院の年次報告書が無いことから、年次報告書以外の様々な史料を駆使しながら、病院の活動の内実に迫ることにした。本年度収集した史料を使い、来年度再び全国学会で発表することにしている。今後とも国内外での史料調査を続け、有効な史料を発掘したい。 (2)国際シンポジウムにおける発表 本年度、史料収集とともに力を入れたのは、研究ネットワーク作りである。本年度はハワイ大学、立命館大学、九州大学にて行われた国際シンポジウムにて、韓国、アメリカ、台湾等の国々の研究者と交流することができた。 このうち韓国の延世大学や東国大学の先生や学生とはシンポジウム後に何度か日本と韓国で会い、史料の状況や日韓の研究動向について情報を交換した。とくに延世大学のキム・ヒョンジュ助教授やチェ・キスク助教授とは、同大学への留学についても話をする機会を頂いた。また医史学研究室のシン・キュファン助教授には、研究室保存の史料をいくつか見せて頂いた。このように本年度は、韓国において人脈を拡げ、研究ネットワークの基礎を作ることができた。今後ともネットワークを広げ、さらに研究環境を充実させていきたいと考えている。
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Research Products
(5 results)