2009 Fiscal Year Annual Research Report
コアシェル構造を有する複合型高機能光触媒材料の合成
Project/Area Number |
09J04601
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 亜実 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光触媒 / 構造制御 / コアシェル構造 / フラーレン / 太陽光エネルギー / 水素エネルギー |
Research Abstract |
申請者は、自然エネルギーから我々が利用できる形のエネルギーを取り出す手法として、光触媒材料を用いた太陽光エネルギーの水素エネルギーへの変換に着目している。更に、そのエネルギーが実際に次世代エネルギーとして利用されるためには製造プロセスが循環型であり、繰り返し利用が可能である必要があると考えている。そこで申請者は、光触媒材料の高効率化と硫化水素の分解を元とした硫黄循環型水素製造システムの構築を目標とした。 この目標を達成するために、本年度において(1)ストラティファイド光触媒材料の壁内部における金属濃度分布の制御、および(2)炭素クラスターによるポリ硫化物イオン回収法の一般化に取り組んだ。それぞれの成果を以下に示す。 (1)ストラティファイド壁内部での金属濃度分布の制御 前駆体合成時における溶液中の錯体状態を、計算化学を用いて明らかにし、それを実験条件・手順設計の指針とした。その結果、前駆体粒子の内部金属濃度分布を制御することに成功し、溶液状態を制御することによって得られる粒子試料の構造を制御することが可能であることが示唆された。現在コアシェル型粒子は主に多段階プロセスを経て合成されており、申請者の示した計算化学的手法の導入による合成プロセスの簡略化が期待される。 (2)炭素クラスターによるポリ硫化物イオン回収法の一般化 これまでの研究において、炭素クラスターの一種であるフラーレンの、ポリ硫化物イオンに対する電子アクセプター働きについて明らかにした。本年度においては、同様の実験を他のイオン(鉄イオン)に対して行い、フラーレンのこの特異な性質がポリ硫化物イオンに対してのみの限定的な性質ではないことを明らかにした。本性質を利用した種々の金属イオンの回収の可能性が期待される。
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Research Products
(7 results)