2010 Fiscal Year Annual Research Report
組成・形態が高度に設計された階層構造メソポーラス半導体の合成と評価
Project/Area Number |
09J04615
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高井 あずさ 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | メソポーラス材料 / 光電気化学評価 / 酸化金属・金属複合体 / 貴金属 / シリカ |
Research Abstract |
優秀若手研究者海外派遣事業を利用して、University of Notre DameのP.V.Kamat教授の研究室で、チタニア-銀ナノ粒子複合体の光電気化学特性を評価した。チタニアナノ粒子と銀イオンを含む前駆溶液にUV光を照射した。チタニア中で励起した電子は、銀イオンを還元後、チタニア-銀複合体中に貯蔵された。光照射を中断すると貯蔵電子の一部を放出し、再度光を照射すると再び電子を貯蔵するという、可逆的な電子貯蔵能を有することがわかった。色素を用いた電子滴定結果から、電子の貯蔵量はチタニアと銀の比に依存していた。太陽電池用電極として評価した結果、チタニア-銀複合体はチタニア単独に比べて2倍の光電流を観測し、電子貯蔵能は特性向上に寄与した。これらの結果は、銀を担持することでフェルミ準位が負の電位方向にシフトしたためであると考察できた。 早稲田大学では、メソポーラスシリカを鋳型として新規メソポーラス金属を合成した。報告されているメソポーラス金属のメソ構造や組成の多様性は乏しいという問題点がある。そこで構造多様性や機械的強度に優れるメソポーラスシリカを鋳型として、新規メソ構造や組成からなるメソポーラス金属を合成した。まず、新規メソ構造を有するメソポーラス白金を合成した。Gyroid構造を有し、1対のメソ孔を連結する細孔径が調節可能なメソポーラスシリカKIT-6を鋳型として選択した。KIT-6の連結細孔径よってメソ孔中での白金の析出挙動が変化し、メソポーラス白金のメソ構造と細孔径を制御可能であることが示された。組成の多様化という観点から、ハードテンプレート法を2段階適用する多段階ハードテンプレート法でRu系メソ多孔体を合成した。本手法は、ソフトテンプレート法で作製した出発物質のメソ構造を最終生成物のメソポーラス金属に反映でき、メソポーラス金属の構造設計と骨格組成の多様化を同時に達成できる可能性がある。
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Research Products
(7 results)