2011 Fiscal Year Annual Research Report
組成・形態が高度に設計された階層構造メソポーラス半導体の合成と評価
Project/Area Number |
09J04615
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高井 あずさ 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 半導体 / 太陽電池 / 白金触媒 / シリカ / メソポーラス材料 |
Research Abstract |
本年度は、以下の2テーマに関して研究を遂行し、成果を報告した。 1.チタニア-銀複合体の電子貯蔵能の調査 金属ナノ構造体の光電気化学分野への適用という観点から、チタニア-銀ナノ粒子複合体の電子貯蔵能を調査した。コロイド状チタニアナノ粒子と銀イオンを含む前駆溶液にUV光を照射した。チタニア中で励起した電子は、銀イオンを還元後、チタニア-銀複合体中に貯蔵された。光照射を中断すると貯蔵電子の一部を放出し、再度光を照射すると再び電子を貯蔵するという、可逆的な電子貯蔵能を有することを明らかにした。色素を用いた電子滴定結果から、電子の貯蔵量はチタニアと銀の比に依存することがわかった。太陽電池用電極として評価した結果、チタニア-銀複合体はチタニア単独に比べて2倍の光電流を観測し、電子貯蔵能は特性向上に寄与した。これらの結果は、銀を担持することでフェルミ準位が負の電位方向にシフトしたためであると考察できた。 2.凹凸表面を有する白金ナノワイヤの作製と触媒能評価 金属を用いた触媒反応における活性は、金属表面の結晶の露出面に依存することが知られ、白金の場合、高次結晶面が露出する場合は被毒の抑制効果が報告されている。そこで本年度は、高次結晶面が露出した白金ナノワイヤの作製を報告した。メソポーラスシリカ薄膜中に、界面活性剤、白金塩水溶液、有機溶媒からなる前駆溶液を含浸し、メソチャネル中に導入した。溶媒揮発後、電解析出法による白金塩の還元、シリカ除去、および洗浄過程を経て、白金ナノワイヤを得た。合成したナノワイヤは凹凸な表面を有しており、その形状は楕円状のナノ粒子が連結して構成されていることに起因していた。また、表面には高次結晶面のステップが数多く存在していることを電子顕微鏡観察から確認した。実際にメタノール酸化触媒能の評価から、従来の白金黒に比べて高活性を示し、電極材料として利用できることを明らかとした。
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Research Products
(4 results)