2009 Fiscal Year Annual Research Report
心臓幹細胞と血管内皮前駆細胞を用いた細胞シートに依る新規心筋再生療法の確立
Project/Area Number |
09J04700
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 剛典 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(CD1)
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Keywords | 国際情報交換 / 心臓幹細胞 / 血管内皮前駆細胞 / 細胞シート / 心筋再生 |
Research Abstract |
初年度にあたり、最先端の技術である心臓幹細胞の単離・培養技術に関する詳細な条件を検討した。具体的には、1、各種心疾患と心臓幹細胞の分離効率の関係、2、心臓の部位と心臓幹細胞の分離効率の関係、3、細胞を組織から分離する際のコラゲナーゼ反応時間と心臓幹細胞の分離効率の関係、4、播種細胞密度と1継代当りの培養日数がC-Kit陽性率に与える効果の検討、を行った。その結果、1、全ての心疾患患者から心臓幹細胞は単離可能であること、2、右心房が最も心臓幹細胞の分離効率が高い傾向であり、3、12時間以内のコラゲナーゼ反応時間が最も心臓幹細胞の分離効率が高いこと、さらに、4、2x10^4 cells/10cm dish, 5 days/passageという条件が最もC-Kit陽性率の低下を抑制でき、細胞倍化時間の遅延を抑制できること、が明らかになった。これらの実験結果から、臨床応用可能かどうかに関しては今後慎重に検討する必要があるものの、最も効率の良い心臓幹細胞の単離・培養方法として、『右房から組織を採取し、12時間以内のコラゲナーゼ反応を用いて細胞を分離し、C-Kit陽性細胞を単離した後、2x10^4 cells/10cm dish, 5 days/passageという条件で培養する』という方法が考えられた。幹細胞は、一般的に、その未分化性を維持しながら培養し、数を増やす事が難しい。しかしながら、少ない組織検体から多量の治療用細胞を調製する臨床応用の実際を見据えると、それらの培養技術は必須である。よって、今年度に確立した、上記単離・培養技術は、本研究において、基礎となる技術と言え、それ故、重要な技術となる。初年度において、それらの基礎技術を確立できたという事は、大変意義深く、今後の研究の進展が期待される。
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Research Products
(3 results)