2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04740
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊田 丈典 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 氷衛星 / エウロパ / 火星 / 粒状体 / 熱伝導率 |
Research Abstract |
2009年度の成果は大きく分けて以下の2点である。 低圧力環境を模擬できる実験系を新たに構築した 私の研究課題「氷衛星に対する新たな年代決定手法」には、氷衛星の表面環境を模擬できる真空実験系が必要である。私は専門業者と協力し、真空チャンバーの設計・製作を完了した。この実験装置は0.4Pa以下に真空引きする事が可能である。私はこの真空実験装置を用いて、惑星表面物質を模擬した試料(ガラスビーズ)の熱伝導率を測定する実験に成功した。測定の結果は先行研究[Huetter et al.,2009]の結果と矛盾しないものであった。従って、構築した実験系で正確な測定を行えることが示された。 構築した実験系を利用して、本来の研究課題に新たな展開を加えた 私が構築した実験系は、火星の圧力環境(600~1000Pa)も模擬できる。この圧力条件下での火星土壌の熱物性については、まだ理解が進んでいない点がある。それは1)熱慣性が理論的に説明がつかないほど低い値になる地域が存在することと2)熱慣性の値が時間変化するという事である。私が構築した実験系を用いれば、この問題を解決できるような重要な知見が得られる可能性がある。本来の研究課題と平行し、この問題についても取り組んでいきたい。
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Research Products
(4 results)