2010 Fiscal Year Annual Research Report
高効率、高選択的アルカンメタセシスを実現する新規触媒システムの開発
Project/Area Number |
09J04793
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 森也 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アルカンメタセシス / アルカン脱水素 / オレフィンメタセシス / PtSn/Al_2O_3 / Re_2O7/Al_2O_3 |
Research Abstract |
フィッシャー・トロプシュ合成により生成する低級アルカンをアルカンメタセシスによりガソリン留分に相当する高級アルカンへ変換する反応系は工業的に非常に有意義である.この様な背景の下,本研究では高効率高選択的なアルカンメタセシスを実現する新規触媒システムの開発を目指している.昨年度ではアルカン脱水素触媒としてPtSn/Al_2O_3,オレフィンメタセシス触媒としてRe_2O_7/Al_2O_3を用いこれらの触媒層を閉鎖循環系内で連結させたタンデム型反応系を設計した.これにより従来の流通系(62atm)よりも低圧下(0.13atm)においてプロパンを基質としたアルカンメタセシス反応を進行させることに成功した(プロパン転化率16%,アルカン選択性96%,反応時間120h).そこで今年度は本触媒系の最適化を行い,さらなる活性向上を目指した.本反応においては吸熱反応であるアルカン脱水素をいかに効率よく進行させるかが全体の活性に大きく寄与すると考えられるため,PtSn/Al_2O_3について,Pt担持量とPt/Sn比の最適化を行った.その結果Pt担持量に関しては1.0wt%, Pt/Sn比については1.0においてそれぞれプロパン転化率が最大となった.また,Pt/Sn比が小さいほどクラッキングが抑制されるという結果も得た,以上の結果から,最適Pt担持量は1wt%,最適Pt/Sn比は0.6~1.0であると判断した,最適化条件(1.0wt% PtSn/Al_2O_3 (Pt/Sn=0.6) 623K, 18wt% Re_2O_7/Al_2O_3 373 K)にて反応を行った結果,反応時間120hにおいてプロパン転化率21%アルカン選択率92%を達成した.この様に今年度においてはPtSn/Al_2O_3触媒の最滴化により触媒活性のさらなる向上に成功した.
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Research Products
(2 results)