2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04806
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 伸 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 超対称ゲージ理論 / M2-brane |
Research Abstract |
今年度の研究は主に1.超重力背景場中の4次元超対称ゲージ理論におけるインスタントン有効作用の計算および、2.M理論におけるM2-brane有効作用の高次微分補正について研究を行った。研究業績1.では超対称ゲージ理論の低エネルギー領域で、超対称性が力学的に破れる可能性を考慮する際重要になるインスタントン効果を調べた。ある超重力背景場またはそれと同等なΩ背景計量上でインスタントン有効作用を計算し、局所化公式を用いてモジュライ空間上の積分を実行することにより、超対称ゲージ理論の低エネルギー領域での真空構造を調べることができる。この際、背景場により変形された超対称性が重要になる。我々はこの変形された超対称性をN=4 Yang-Mills理論の場合に求めた。この研究では超対称性の破れを調べる上で、一定の進展があったと思われる。一方、研究業績2.ではM理論におけるM2-brane有効作用の高階微分項をAbelianゲージ群の場合に調べた。高階微分項はNambu-Goto型の作用にまとまり、コンパクト化することで超弦理論におけるD2-brane有効作用を正しく再現した。また、この模型と11次元超重力背景場との結合項も導出し、同様にコンパクト化で10次元背景場とD2-braneとの結合項も正しく導出出来た。ゲージ理論の超対称性の破れの機構を調べるためにはM理論からのアプローチも有用であることが知られており、研究課題とも密接に関係している。
|
Research Products
(3 results)