2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04818
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
パストゥホフ ストラヒル 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | LRRK2 / パーキンソン病 / CaMKII / vimentin |
Research Abstract |
申請者は、昨年度までに、パーキンソン病を引き起こすLRRK2 GS変異体はvimentinのリン酸化を促進する事を明らかにした。しかしながら、LRRK2はどんな因子を介してこの効果を示すか明らかになっていなかった。昨年度はvimentinをリン酸化するキナーゼに注目し、そのうち一つのキナーゼ、CaMKIIの阻害剤であるKN-93によってLRRK2によるvimentinのリン酸化が抑制された。そこで、LRRK2とCaMKIIの相互作用を検討し、その結果、LRRK2はCaMKIIと結合することが明らかとなった。更に、in vitro kinase assayを用いて、LRRK2 GSはCaMKIIのキナーゼ活性を促進する事が分かった。 グルタミン酸受容体のNR2BはCaMKIIのauto-inhibitory domain配列と相同性の高いドメインを介してCaMKIIの活性維持を行う事が知られている。興味深い事に、LRRK2にはこのドメインと相同性の高い配列が存在していることを見いだした。NR2Bと結合できないCaMKII I205K変異体はLRRK2との結合が弱くなる事、この変異体によってvimentinのリン酸化及びvimentin形成が見られないことから、LRRK2はCaMKIIを介してvimentinのリン酸化を制御することが考えられる。この可能性を検討するために、LRRK2 siRNAを用いて、内在性のLRRK2をknock downすることによって内在性のCaMKIIの活性または活性化時間が減少する事が予想される。そして、これに伴ってvimentinのリン酸化およびvimentin cage形成も抑制される可能性が考えられる。しかし、LRRK2 siRNA実験が困難であったため、共同研究者からLRRK2 k.o.細胞を頂き、実験を進めることにした。 内在性のLRRK2とCaMKIIにおいても過剰発現系で見られた関係が成り立つかを確認するとともに、LRRK2はどのようにCaMKII経路を制御するか、更に詳しく調べる必要があると考えられる。
|
Research Products
(1 results)