2010 Fiscal Year Annual Research Report
アレイ導波路回折格子とループミラーを用いた可変分散補償回路の研究
Project/Area Number |
09J04852
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
伊熊 雄一郎 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 平面光回路 / アレイ導波路回折格子 / 波長分割多重 / 分散補償 / 樹脂 / レンズ / シリコン導波路 |
Research Abstract |
2つのアレイ導波路回折格子(AWG)を縦続に接続した分散補償回路をNTT研究所の協力のもと設計・製造し、評価した。1つのAWGのみを用いた従来型回路では、高分散設定時に狭帯域化が起こることが問題であったが、2段型にすることによってこれを低減することができる。また、2つのAWGの温度制御を独立に行い、両者の中心波長をわずかにずらすことによって、従来型に必須であったサーキュレータを排することができるという新構成を提案した。試作品の評価では、前年度試作品の約2.8倍に当たる約1000ps/nmの分散補償幅を達成すると共に、前述の狭帯域化抑制が実証された。43GbpsのCSRZ-DQPSK変調信号を用いた伝送実験では、BER冨10E-9におけるOSNRペナルティが1dB以下であり、良好な分散補償ができていることが確認された。この成果は国際会議(European Conference on Optical Communication 2010)で報告した。また、.本デバイスに含まれる位相変調器の温度制御においては、従来用いていた独立型のセラミックヒータではなく、集積型金属ヒータを使用し、これが有効に動作することを確認した。米国カリフォルニア大学デービス校・バークレー校において、Si細線導波路を用いた分散補償回路の研究にも取り組んだ。ここではSi細線導波路の分散補償への適用可能性、導波路内位相誤差の影響、集積ヒータの熱的設計等の検討を行い、デバイスを製造した。その他、当初計画には含まれていないが、産業技術総合研究所と共同でSi導波路と相変化材料を用いた光スイッチに関する研究にも携わり、その成果が論文誌に掲載された。
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Research Products
(8 results)