2009 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母Rhb1優性活性型変異体を用いた栄養飢餓応答シグナル伝達経路の解明
Project/Area Number |
09J04910
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村井 朋香 Kyoto University, 放射性生物研究センター, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 細胞成長 / 栄養飢餓 / アミノ酸取り込み / 低分子量GTPase / 分裂酵母 / Rheb / TOR / 減数分裂 |
Research Abstract |
増殖や成長に必要な窒素源の枯渇に対し生物は種々の適応応答を示す。分裂酵母では枯渇後すぐにアミノ酸の取込み能が上昇する。さらに枯渇状態が継続すると減数分裂を開始するために必要な遺伝子群の発現誘導がおこる。RhebはRas-like GTPaseであり窒素源枯渇時の応答反応に機能する。しかしRhebによる窒素源枯渇応答時の下流へのシグナル伝達メカニズムや、窒素源状態に応じたRheb自身の活性制御機構は未だよくわかっていない。我々は、Rhebの優性活性型変異体rhb1-DA4とrhb1-DA8を用いて、窒素源枯渇時と窒素源豊富時の応答を解析した。その結果、Oncogenic Rasと類似の変異を持ち恒常的GTP結合(活性型)Rheb変異体であるrhb1-DA4は、アミノ酸取り込みと遺伝子発現誘導の両方に欠損を示した。一方、エフェクターループ近傍に変異を持つrhb1-DA8は、アミノ酸取り込みのみ欠損を示した。この結果は、Rheb GTPaseの下流は少なくとも2つに分岐し、アミノ酸取り込みと遺伝子発現誘導にそれぞれ独立のエフェクターが機能することを示唆していた。現在、これらの二種類の変異体において、Tor経路の活性化状態を調べている。また、Rhebが関わる、Torに依存しない新規経路について、オートファジー(自食作用)や、異常タンパク質を除去する機能との関わりに焦点を当てて探索しようと試みている。
|
Research Products
(2 results)