2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規クロマチン構造変換因子複合体の同定とその機能解析
Project/Area Number |
09J04917
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 拓哉 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クロマチン / 核輸送 / 転写制御 / エピジェネティック制御 |
Research Abstract |
核膜孔構成因子が転写活性化遺伝子群上に局在することや核膜孔構成因子および核輸送制御因子にクロマチンバウンダリー活性が見出されたことで、核膜孔構成因子や核輸送制御因子がクロマチン構造調節に関与することが示唆されつつある。そこで本研究の目的である新規のクロマチン構造変換機構解明のため、核輸送制御因子RCC1に着目し、解析をおこなった。RCC1はGTP結合性因子RanのGDPからGDPへの交換を促し、Ranの活性を介核輸送を制御することが知られている一方、yRCC1はクロマチン結合能を有しており、不活化遺伝子上の局在およびクロマチンバウンダリー活性を示すことが。RCC1の活性はRCC1 like domain(RLD)を介しているためRLDを含むショウジョウバエ因子群を解析対象とした。培養細胞における核局在、ショウジョウバエの遺伝子変異個体の表現型解析から、RCC1ホモログBj1とCG9135が似た表現型を示した。さらにCG9135はその表現型においてAP-1転写因子との遺伝学的相互作用が確認されたことからCG9135が転写制御に関連することが示唆された。また、CG9135は唾液腺染色体において染色体バンドでの局在が見出されており、ヘテロクロマチン領域で機能していると考えられる。また、一方でBj1にもクロマチン構造変換の機能があるのか検討した。クロマチン構造変換をショウジョウバエ複眼の赤目の増減という表現型で評価できるPEVを用いてBj1のクロマチン構造変換機能を調べたところ、Bj1がクロマチン構造の凝集化に機能することが判明した。さらに、ショウジョウバエ個体内での転写レポーターアッセイをおこなうとBj1が転写抑制化した。また、Bj1変異表現型においてヘテロクロマチン化に機能するHP1、Su(var)3-9との遺伝学的相互作用が確認された。これらに結果より、核輸送制御因子として知られていたBj1(dRCC1)がクロマチン構造変換という新規機能を持っていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)