2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規クロマチン構造変換因子複合体の同定とその機能解析
Project/Area Number |
09J04917
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 拓哉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | クロマチン / ヒストンH1 / 核輸送 / ヘテロクロマチン化 / エピジェネティック制御 |
Research Abstract |
核膜孔構成因子が転写活性化遺伝子群上に局在することや核膜孔構成因子および核輸送制御因子にクロマチンバウンダリー活性が見出されたことで、核膜孔構成因子や核輸送制御因子がクロマチン構造調節に関与することが示唆されつつある。そこで本研究の目的である新規のクロマチン構造変換機構解明のため、核輸送制御因子RCC1に着目し、解析をおこなった。RCC1はGTP結合性因子RanのGDPからGTPへの交換を促し、Ranの活性を介して核輸送を制御することが知られている一方、yRCC1はクロマチン結合能を有しており、不活化遺伝子上の局在およびクロマチンバウンダリー活性を示すことが知られている。 前年度の成果によりRCC1のショウジョウバエホモログであるBj1がヘテロクロマチン化すなわちクロマチンの凝集化に機能することが示唆され、本年度はその分子機能について解析をおこなった。Bj1ノックダウンのショウジョウバエ唾液腺染色体の変異がヒストンH1ノックダウンの変異と同じ表現型であったことから、Bj1によるクロマチン構造調節はヒストンH1を介した分子機構であることが推測された。そこでBj1によるヒストンH1のクロマチン結合制御を解析したところ、Bj1がヒストンH1のクロマチン結合を促進していることが明らかとなった。さらにその結果、抑制的クロマチンの指標となるヒストン修飾も影響を受けることが見出された。 これまでヒストンH1のクロマチン結合制御の分子機構はほとんどが未知であり、本研究によりその一端が明らかになったと考えられる。
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Research Products
(1 results)