2009 Fiscal Year Annual Research Report
実用性を考慮した理論解析アプローチに基づく新Sinc数値計算法パラダイムの創出
Project/Area Number |
09J04948
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡山 友昭 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Sinc数値計算法 / 理論解析 / 積分方程式 |
Research Abstract |
年次計画では、一年目は「1.弱特異核を持つ積分方程式に対するSinc選点法の修正」および「2.積分方程式に対するSinc-Nystrom法の理論解析」の研究を、二年目は「3.Sinc-Nystrom法ベースの精度保証付き計算法の開発」および「4.非整数階微分に対する近似公式の改善と非整数階微分方程式の数値解法の開発」の研究を行う予定であったが、1~2は全て達成、3~4も半分程度達成した。 1.弱特異核を持つ積分方程式に対するSinc選点法の修正 弱特異核を持つVolterra積分方程式やFredholm積分方程式に対し、これまでにSinc選点法による数値解法が提案されているが、応用上不便な点があった。これを改善する数値解法を、Volterra積分方程式とFredholm積分方程式の両方に対して提案した。 2.積分方程式に対するSinc-Nystrom法の理論解析 なめらかな積分核を持つVolterra積分方程式やFredholm積分方程式に対し、これまでにSinc-Nystrom法による数値解法が提案されているが、やはり応用上不便な点があった。この難点を本研究では理論解析に基づいて克服した。さらにこの成果を、Sinc選点法による数値解法の理論解析にも応用している。 3.Sinc-Nystrom法ベースの精度保証付き計算法の開発 ここでの目標は積分方程式に対する精度保証付き計算法の開発であるが、そもそも数値解法の構築の基となっている近似公式自体も精度保証の方法が確立されておらず、まずそもそもの近似公式の詳細な誤差評価を与えた。その評価を基に、Sinc-Nystrom法に対する詳細な誤差評価を与えた。ただし、これはFredholm積分方程式に対しての成果であり、Volterra積分方程式に対しては今後の課題である。 4.非整数階微分に対する近似公式の改善と非整数階微分方程式の数値解法の開発 これまでに筆者が提案した非整数階微分に対する近似公式には、まだ応用上不便な点があり、特に非整数階微分方程式に適用するには不満な点が残されていた。そこで、まず近似公式自体の改善を行った。この成果をもとに、実際に非整数階微分方程式の数値解法を開発するのは今後の課題である。
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Research Products
(14 results)