2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04957
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橘 誠 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 露中宣言 / ボグド・ハーン政権 / 宗主権 / 『万国公法』 / キャフタ協定 / ウンゲルン |
Research Abstract |
本年度は、6月から7月にかけて約4週間、そして12月に10日間の史料調査をモンゴル国において実施した。1度目の調査は、モンゴル国立中央公文書館、およびモンゴル国立外交中央文書館において行い、1913年の露中宣言に対するボグド・ハーン政権の反応を解明するためにモンゴル語、ロシア語史料を収集し、その成果を11月3日に開催された京都大学における東洋史研究会大会において「1913年の露中宣言とモンゴルの政治的地位-中国の『宗主権』とモンゴルの『自治』-」として報告した。2度目の調査は、主にモンゴル語訳『万国公法』が所蔵されるモンゴル国立中央図書館において行い、研究課題である「20世紀初頭におけるモンゴル・中国関係史の研究」に深く関連する漢語からモンゴル語への翻訳文献の発見に努めた。論文としては、「キャフタ協定後の帰服モンゴル人の命運-ボグド・ハーン政権による帰服者の処遇問題-」(『早稲田大学モンゴル研究所紀要』第5号、2009年9月)において、1915年のキャフタ協定締結後も外モンゴルに残留した帰服モンゴル人の動向とボグド・ハーン政権の対応について考察し、また"Барон Унгерн и Япония,"Bocmok, 2009(5)においては、ロシア、モンゴルの研究者と共同で日本の外交史料の翻訳を公にして当該分野の研究に資すことを期するとともに、従来日本がウンゲルンを積極的に支援していたとする定説はソ連の歴史研究におけるアジテーションであったとの見解を提示した。また本年度は7月にモンゴル国において開催された「ノモンハン事件70周年会議」、3月に韓国において開催された「韓国・モンゴル国交樹立20周年会議」の2つの国際会議に参加し、世界の研究者との学術交流を積極的に行った。
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Research Products
(3 results)