2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04990
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南野 研人 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | B細胞 / IRF-2 / I型インターフェロン / 濾胞B細胞 / 辺縁帯B細胞 / B1細胞 / 脾臓 |
Research Abstract |
本年度はIRF-2のin vivoにおけるB細胞での機能、腹腔内B1細胞分化への関与、シグナル伝達分子の発現変化と抗IgM刺激時のシグナルの変化について検討を行った。 IRF-2のin vivoにおける機能を検討するために、野生型マウス(WT)とIRF-2ノックアウトマウス(IRF-2KO)にTNP-OVAをCFAに混濁したもの、またはTNP-Ficollを腹腔投与した.TNP-OVA免疫後、7日、14日においてTNP特異的IgM抗体価の減少が認められた。逆に、TNP-Ficoll免疫後、7日、14日においてはTNP特異的IgM、IgG抗体価は増加した。このことからin vivoにおける抗体産生にIRF-2が関与していることが明らかとなった。 腹腔内B1細胞の分化にIRF-2が関与しているかを明らかにするために、IRF-2KOの腹腔内B1細胞の細胞数を解析した。その結果、IRF-2KOではWTと比較してB1a細胞、B1b細胞、共に減少していることが明らかとなった。I型インターフェロン受容体(IFNAR)の関与について検討するために、IFNAR・IRF-2KO(DKO)における、腹腔内B1細胞の細胞数を解析した。DKOではB1a細胞は部分的に、B1b細胞は完全に細胞数が回復していた。その結果、IFNAR依存的経路でB1細胞の分化に関与していることが示された。 活性化刺激を受ける前のシグナル伝達分子の発現、および抗IgM抗体刺激後の細胞質内へのCa^<2+>の流入を検討した。無刺激状態のWTとIRF-2-KO B2細胞のシグナル伝達分子の発現を検討したところ、発現差は認められなかった。抗IgM刺激後はCa^<2+>流入の若干の減少が観察された。これらの結果から、IRF-2は細胞質内へのCa^<2+>の流入に何らかの方法で関与していることが示唆された。
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