2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04990
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
南野 研人 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | IRF-2 / B細胞 / 濾胞B細胞 / 辺縁帯B細胞 / 抗体産生細胞 |
Research Abstract |
IRF-2は生体内での胸腺依存性(TD)抗原に対する抗体産生に必要であること明らかにしてきた。IRF-2はI型インターフェロン受容体(IFNAR)のシグナルを抑制することが報告されている。そこでIFNAR関与についてIRF-2IFNAR両欠損マウス(DKO)で検討した。DKOにおいてもIRF-2KOと同様の抗体産生の低下が観察されたため、IRF-2はIFNAR非依存的経路でTD抗原に対する抗体産生を制御していることが示された。抗体産生におけるIRF-2の機能をさらに検討するために、IRF-2KO碑及びリンパ節B細胞をin vitroでLPS刺激したところ、碑B細胞では産生量に変化が見られず、一方リンパ節B細胞の場合では産生量が半減していた。これは脾臓とリンパ節におけるB細胞亜集団の構成比の違いにより、脾臓より濾胞B細胞(B2)を精製し刺激した場合、IgM産生の低下が認められた。そこで、B2細胞が抗体産生細胞へ分化する際の転写因子や細胞表面分子の発現変化を検討した。IRF-2KO B2細胞ではBlimp-1の発現上昇の低下する一方で、抗体産生細胞へ分化状態を示す細胞の割合や数が増加していた。以上のことからIRF-2はB2細胞の抗体産生及びBlimp-1の発現を正に、細胞表面分子の発現変化を負に制御していることが明らかとなった。 TD抗原に対する抗体産生の低下はCD4^+T細胞、特に濾胞T(Tfh)細胞への分化異常によっても起きる。そこで、in vitroでIRF-2KO CD4^+T細胞をTfhに分化させたところ、正常に分化した。またIRF-2KOを免疫し、脾臓でのTfhの分化を観察したが、Tfhの細胞数及びマーカーの発現にも差は認められなかった。このため、TD抗原に対する抗体産生の低下はTfhの分化異常にはよらず、B細胞自身の異常によることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)