2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内リン酸化シグナルを網羅的に解析できるペプチドアレイの開発
Project/Area Number |
09J05004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
韓 暁明 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プロテインキナーゼ / ペプチドアレイ / バイオチップ / ハイスループットアッセイ / 細胞内方法伝達 / 診断 / がん / 蛍光分析 |
Research Abstract |
まず、がん診断を標的としたペプチドアレイ実現のため、がんに密接にかかわっているが、これまで利用可能な基質ペプチドが存在しなかったERK2、JNK1、p38α、EGFR、c-METおよびc-Ablに関して基質探索を実施し、各キナーゼに対する新規基質、およびリン酸化モチーフ配列を見出すことに成功した。また、開発したペプチドアレイを用いて、実際にがん組織のキナーゼ活性の検出を試みた。すなわち、A431を移植した担がんマウスを作成し、そのがん組織と正常皮下組織を採取して、破砕液でアレイを処理してSrc活性を評価し、がん組織での亢進を認めた。また、この活性が、Src阻害剤で抑制されることを確かめ、確かに検出されたリン酸化活性がSrcに基づくものであることを証明した。また、このがんと正常組織での活性の違いは、ウェスタンブロッティングで得られた結果とも一致していた。ついで、1500種以上の基質ペプチドを固定化した高密度ペプチドアレイの開発に成功した。Z'ファクターは、0.7以上とハイスループット解析に使用可能な性能を示した。これを用い、B16メラノーマ細胞のキナーゼ活性網羅的評価を行った。得られたリン酸化プロフィールを、正常皮下組織のそれと比較したところ、多くのペプチドでがんにおけるリン酸化の亢進を認めた。特に、PKC、JNK、ERK、p38、PKAへの顕著な活性化が求められ、本手法が細胞内プロテインキナーゼ活性を網羅的にプロファイリングできる可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)