2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05019
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
立花 幸司 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | アリストテレス / 倫理学 / 道徳 / 哲学 / 脳神経科学 / 脳神経倫理学 |
Research Abstract |
平成22年度は,科学研究費補助金申請時の研究目的である「アリストテレス倫理学において,古代哲学研究としての水準を維持した研究成果をあげつつ,同時にその現代的意義を考察し,具体的で実効的な成果をあげ,提言を行うこと」に沿って,以下の研究活動に重視した.(1)当年度は,オックスフォード大学にて客員研究員として一年間滞在していたため,受け入れ教員となって下さったデイヴィッド・チャールズ教授の指導をはじめとした当地での研究活動により,博士論文および今後投稿する論文の修正,改善,さらなる資料調査を行い,充実を図った.(2)現代哲学の研究書の翻訳作業を行い,『真理・言語・歴史』(ドナルド・デイヴィドソン著,柏端達也・立花幸司・荒磯敏文・尾形まり花・成瀬尚志翻訳,春秋社,2010年)として出版した.現代哲学の泰斗であるデイヴィドソンの最後の論文集であるこの著作は古代哲学と現代哲学の接点について多くの洞察が含まれ,本科研費の研究目的の遂行にも多分に寄与するものである.(3)脳神経科学と哲学の関係を道徳の自然本性の解明の観点から論じた既刊論文について,その後の調査を踏まえた加筆修正を施し,寄稿した.(4)また,脳神経科学と社会の関係をリテラシーの観点から論じたものを寄稿した.(5)さらに,科学技術者が身につける倫理について,その特徴を学習方法の点から主に理工学部生向けに論じたものを寄稿した.
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Research Products
(4 results)