2009 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類オートファジーの研究、PI3K複合体と下垂体オートファジーによる解析
Project/Area Number |
09J05044
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
板倉 英祐 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | オートファジー / Atg / オートファゴソーム / ULK1 |
Research Abstract |
オートファジーとは一言で説明すると細胞質内大規模蛋白質分解系である。初年度にあたる今年度は主にオートファゴソーム形成の分子機構を中心に解析を進めてきた。現在まで多くの哺乳類オートファジーに関わる蛋白質が同定されたが、それらの関係はよくわかっていない。そこで私はそれらの蛋白質をULK1複合体、Atg14-PI3K複合体、Atg16複合体、PI3P結合蛋白質、LC3の5種類に分類し、それらの間に階層関係があるかどうかをノックアウト細胞またはsiRNAによるノックダウン細胞を用いて解析した。その結果、これらオートファジー蛋白質間には階層関係があり、ULK1複合体、Atg14複合体、PI3P結合蛋白質、Atg16複合体、LC3の順にオートファゴソームに局在していくことなどがわかった。これらのことはオートファゴソーム形成段階をそれぞれの分子の局在で決定できることから、今後オートファゴソーム形成の研究を進めていく上で非常に重要な発見であると考えられる。 オートファゴソーム形成はVps34キナーゼ阻害剤であるWortmanninによって阻害されることが知られているが、さらに私はAtg14の飢餓依存的な細胞質内ドット形成はWortmanninによって阻害されないことを発見した。これはAtg14がオートファゴソーム形成サイトに局在している意味する。さらにこのオートファゴソーム形成サイトにはULK1複合体も局在していることがわかった。そしてこのサイトは小胞体上にあることもわかった。これらのことは今まで議論され続けてきたオートファゴソーム膜の起源は小胞体であり、さらにオートファゴソーム形成は小胞外上で開始されることを強く示唆している。これらの結果をまとめ、現在論文を投稿している。またこのオートファジー分子機構の解析が予想以上に進展したことから、来年度も分子機構の解析をさらに推し進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)