2011 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類オートファジーの研究、PI3K複合体と下垂体オートファジーによる解析
Project/Area Number |
09J05044
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
板倉 英祐 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | オートファジー / 不良ミトコンドリア / ミトファジー / ULK1 / Atg9 / Parkin |
Research Abstract |
オートファジーは細胞質内の一部を膜構造体で取り囲み、リソソームと融合することでタンパク質分解を行う大規模タンパク質分解系である。特異的にタンパク質分解を行うプロテアソーム-ユビキチン系と比べ、大規模に、さらに細胞小器官も分解できることが特徴である。障害を受けた不良細胞小器官を恒常的に分解することが品質管理機構として重要であることが考えられている。近年の研究から、オートファジーは非選択的だけでなく、選択的にタンパク質分解を行っていることがわかってきた。しかし、その認識機構についてはよくわかっていない。 昨年までの研究から哺乳類オートファジー因子の階層関係やオートファゴソームの形成サイトを同定することができた(ltakura et al.,Autophagy 2010)。そのサイトにはオートファジーの選択的基質であるp62がリクルートされることもわかった(Itakura et al., JCB 2011)。この知見を活かし、さらに今年度はオートファジーによるミトコンドリアの選択的分解(ミトファジー)の認識機構についての研究を発展させた。一連の研究から、1,不良ミトコンドリアはオートファジー因子ULK1,Atg9にそれぞれ非依存的に認識されている。2,LC3-PEを欠損した場合、不良ミトコンドリアをオートファゴソーム内に取り込めなくなるが、オートファゴソームの近くに不良ミトコンドリアが存在する。これらの結果から、不良ミトコンドリアはオートファゴソーム形成サイトにリクルートされ、その場からオートファゴソーム形成が不良ミトコンドリアを包み込むように開始されることがわかった。この発見はミトコンドリアの品質管理不全が関与すると考えられるパーキンソン病などの神経疾患症状発症のメカニズムの解明やその治療法への確立に役立つと考えられる。
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Research Products
(3 results)