2010 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類オートファジーの研究、PI3K複合体と下垂体オートファジーによる解析
Project/Area Number |
09J05044
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
板倉 英祐 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | オートファジー / Atg / オートファゴソーム |
Research Abstract |
近年の研究からオートファジーは非選択的に細胞質成分を取り囲むだけではなく、選択的にも分解を行っていることがわかってきた。選択的オートファジーの理解は重要である。ダメージを受けたオルガネラやタンパク質を特異的に分解することで細胞ないし個体の恒常性を保っているからである。しかし哺乳類オートファゴソーム形成サイトが不明だっことは、オートファゴソーム形成の詳しい分子機構を調べるための障害の一つであった。初年度から行っている実験がさらに発展し、哺乳類オートファゴソーム形成サイトを同定することができた。この結果より哺乳類オートファゴソーム形成のための研究の基礎ができあがったと考えられる、この結果を用いてさらにオートファジー選択的基質の局在様式の解析にも取り組んだ。今まで選択的基質はLC3との結合だけがその局在に重要であると考えられていたが、実はさらにその前段階として選択的基質はオートファゴソーム形成サイトに集まり、その後、LC3との結合によりオートファゴソームに取り込まれるということを明らかにした。このことは今後オートファジーによる選択的分解が神経変性疾患などにおいて蓄積している不良タンパク質を分解させるのための治療の発展に大きく寄与できると考えられる。これらの結果はイタリアで開催されたGordon Research Conferenceで発表し、さらにAutophagyとJournal Cell Biologyに報告をした。さらにこれらの結果を用いて、来年度もこの詳しい分子メカニズムの解明を目指す。
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Research Products
(6 results)