2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機/有機界面での電界印加電荷発生による超高効率有機EL素子の開発
Project/Area Number |
09J05051
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
千葉 貴之 山形大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機EL(OLED) / 電荷発生層(CGL) / マルチフォトン素子 / 有機電子ドナー材料 |
Research Abstract |
本研究では、金属酸化物、アルカリ金属や金属などを使用しない有機/有機界面での電界印加電荷発生を利用したCGLの開発およびマルチフォトン構造への応用による、有機EL素子の高効率長寿命化を目的としている。 1.有機/有機界面での電界印加による電荷発生条件の検討 強い電子アクセプター性(深いLUMO)を有する分子層とドナー性(浅いHOMO)を有するα-NPD層を積層しCGLとし、有機/有機界面でのNPDのHOMO準位とアクセプター層のLUMO準位とのエネルギー差ΔEと電圧-電流密度特性から電界印加時の電荷発生条件を検討した。電子アクセプター性材料には、縮合多環系材料を主骨格とし置換基の修飾によりそのエネルギー準位を調節した。HOMO準位7.0eV、LUMO準位4.4eVを有するHAT(CN)6を用いた系において、電圧-電流密度特性から膜厚依存性が観測されず、良好な電流特性が得られた。 2.有機/有機界面での発生電荷を隣接する電子輸送層に注入する手法の確立 有機CGLにおいて発生した電子は、アクセプター層のLUMOが深いために隣接する電子輸送層のLUMOへの注入が困難となる。非常に浅いHOMO(4.6eV)を有するテトラチオナフタセン(TTN)は/Alq_3への電子注入障壁を低減させる事が知られており、これら化合物をもとにアルカリ金属を用いない有機電子ドナー材料を積極的に検証した。素子構造はITO/NPD(140)/Alq:Rub:DCJTB1%(20)/DPB(10)/B4PyMPM(10)/TTN(1)/HAT(CN)6(10)/NPD(30)/Alを真空一貫型蒸着装置(真空度:2×10^<-5>Pa)にて作成した。この素子からは良好な発光特性が得られたことから、有機/有機界面での電界印加電荷発生層として機能することが確認された。
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Research Products
(1 results)