2009 Fiscal Year Annual Research Report
Notch小胞輸送制御因子の探索による膜タンパク質局在化機構の解明
Project/Area Number |
09J05081
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青山 尚規 Tokyo University of Science, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ショウジョウバエ / Notch情報伝達系 / 小胞輸送 / RNA干渉法 |
Research Abstract |
Notch情報伝達系の受容体であるNotchは、線虫からヒトまで進化的に広く保存されており、極めて多くの細胞の運命決定に関与しています。そのため、Notch情報伝達系の異常は、癌や白血病、自己免疫疾患などの重大な疾患の原因となることが知られています。 近年、Notch情報伝達系を制御する重要な要素として小胞輸送が注目されており、その分子機構が徐々に明らかになってきています。本研究は、Notch小胞輸送の分子機構を解明することを目的としています。 これまでにNotchの局在や発現、情報伝達に影響を与える遺伝子を網羅的に探索した結果、5遺伝子を同定していました。本年度は、さらに、新規に樹立された手法を用いて網羅的探索を行い、これまでよりも有意に影響を与える21遺伝子を同定しました。次に、これらの遺伝子に対して機能喪失型突然変異体を作出し、遺伝子機能の解析を行いました。同定した26遺伝子のうち、RNAiによる表現型で、Notchの局在化異常とNotch情報伝達の低下が見られる7遺伝子が最も優先順位が高いと判断しました。これらの7遺伝子のうち、CG30496、PDGF-and VEGF-related factor 1(pvf1)、CG8683、CG8675の4遺伝子に対する機能喪失型突然変異体を作出しました。しかし、CG30496よPvf1の機能喪失型突然変異体には、Notch局在とNotch情報伝達系の両方に異常が見られませんでした。これは、RNAiにおける表現型がオフターゲット効果によるものだったと考えられます。また、CG8683、CG8675に関しては、現在作出した突然変異体がホモ接合体で致死を示しました。これらに関しては、体細胞クローン解析によって、Notch情報伝達に対する表現型が現れるか調査中です。
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Research Products
(4 results)