2009 Fiscal Year Annual Research Report
婚姻家族の解体と再構成における子の利益-親子法の再構築の視座から-
Project/Area Number |
09J05092
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
駒村 絢子 Keio University, 法学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 子の利益 / ステップファミリー(再構成家族) / 離婚後の共同親権・監護 / オーストラリア連邦家族法 / 親子法 / 家族法(親族法) / 継親子関係 |
Research Abstract |
本研究は、婚姻家族の解体後の再構成、すなわち離婚父母の再婚後における親子関係-特に継親子関係の法的規律における子の利益について考究するものである。最終目標は、継親子関係の法制化の私案作成である。 研究の第一年度目である本年度は、再婚後の継親子関係法制についての検討の前提となる、離婚後の親子関係法制に関する検討に主に取り組んだ。中でも、わが国における離婚後の共同親権・監護の法制化の意義及び具体的手法に対する示唆を求めて、オーストラリア家族法を対象とした比較法的検討を行い、その成果を論文として公表した。その議論内容は、離婚後の共同親権・監護を法制化する場合には、(1)離婚後の共同親権・監護措置が子の利益のためにならない家族を選り分けること、及び、(2)離婚後の養育措置の取決めや養育紛争の解決を非対立的な形で行うための支援を提供することが必要であり、わが国においては(1)・(2)両方に関して後方支援を拡充することが課題である、というものである。論文刊行後は、特に(1)の視点について、父母の再婚後における子の利益にとって離婚後の共同養育はいかなる意味や影響を持つものかをめぐる検討へと、発展を試みている。 継親子関係の法的規律に関しても、ステップファミリーにおける子の養育の実態に関する社会調査の実施を目指して、ステップファミリー当事者団体等の協力の下、準備作業を進めている。本年度末には、試行アンケート調査を実施した。社会調査は、継親子の多様な実情に根差した実効的な法制度の設計を目指すにあたり、その土台となる基礎資料獲得のための最重要作業として位置付けている。そこで、調査の内容・方法の決定に向けては、入念に検討している。本調査は来年度に実施予定である。加えて、本年度終盤より、継親子関係の法的規律の具体的手法に関する知見を求めて、英国・オーストラリア及び仏国を対象とした比較法的検討に着手したところである。
|
Research Products
(1 results)