2010 Fiscal Year Annual Research Report
婚姻家族の解体と再構成における子の利益-親子法の再構築の視座から-
Project/Area Number |
09J05092
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
駒村 絢子 慶應義塾大学, 法学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 家族法 / 親子法 / 継親子 / ステップファミリー / 再構成家族 / 再婚 / 社会調査 / オーストラリア家族法 |
Research Abstract |
1本研究は、近時の子連れ離婚・再婚件数の増加傾向を背景に、父母の離婚・再婚後の親子関係における子の利益について、親子法枠組みの再構築という観点から考究するもので、特に継親子関係の法的規律に関する私案作成を最終目標としている。本年度は、法制私案作成へ向けた最重要作業であるステップファミリー(子連れ再婚家族)当事者に対する実態調査(アンケート・インタビュー調査)を実施し、全46名の当事者(実親・継親)から回答を得た。本調査において収集したステップファミリーにおける子の養育の実情に関するデータは、本研究のみならず、今後の法学及び家族社会学上のステップファミリー研究全体にとって貴重な基礎資料になると思われる。 調査実施後は直ちにデータ内容の分析に着手した。そして、その成果の一部について、継親子間で養子縁組を行ったケースに関する論文「継子養子縁組の締結プロセスについて-ステップファミリー当事者を対象としたインタビュー調査の知見から-」を作成、学術雑誌に投稿し、刊行決定を得た。本論文は、継父子ケースと継母子ケースとでは、養子縁組届出を行う時期や「何故、継子養子縁組を行うのか」という理由等の縁組締結プロセスが大きく異なること、特に夫婦の再婚に伴う連れ子の氏の問題や夫婦の性別役割分業の実態が縁組締結プロセスに大きな影響を及ぼすことを明らかにした。 2また、離婚後の親子関係の法的規律については、前年度に引き続き、オーストラリア家族法における離別後の共同養育推進の動向を対象とした比較法的検討を行った。主な成果としては、オーストラリア連邦政府等による2006年家族法制度改革の評価報告書(要約版)の翻訳を行い、刊行決定を得た。
|
Research Products
(3 results)