2009 Fiscal Year Annual Research Report
老化関連遺伝子SIRT1による神経細胞死抑制の分子メカニズム解析
Project/Area Number |
09J05137
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 幸 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SIRT1 / zyxin / 脱アセチル化 / Yeast Two-Hybrid法 / アポトーシス / NAD / NADH / 核内移行シグナル / 免疫沈降法 |
Research Abstract |
生物の発生過程では、細胞の生死決定が巧妙に制御されている。中でも神経発生の過程では、大過剰の未熟な神経細胞が自発的な細胞死により除去され、残りの生存神経細胞が一生にわたって神経機能の維持に寄与する。そのため、「発生過程において死ぬべき細胞を的確に除去すること」は、正常な神経機能の獲得に必要不可欠なプロセスである。申請者はこれまでに、細胞死を制御する細胞内シグナルの一端を解明するため、ヒストン脱アセチル化酵素SIRT1に着目し、各因子の細胞死制御における役割を解析を進めており、以下の結果を得ている。 1.SIRT1の新規結合因子としてzyxinが同定された。 2.酵母細胞において、SIRT1との結合にはzyxinのLIM domain 3が必要である。 3.zyxinがSIRT1の基質として脱アセチル化される。 申請者はさらに、Real-Time PCR法によりマウスの各臓器(脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、筋肉、脾臓、精巣)におけるSIRT1とzyxinの発現レベルを調べた。また、マウスの発生段階ごとの両者の発現レベルを比較した。その結果、SIRT1、zyxinともに各臓器、発生段階で発現していることが明らかとなった。特に、肺、脾臓、精巣ではSIRT1、zyxinともに高い発現が確認された。次に、大腸菌に発現させたGST-SIRT1タンパク質を精製し、zyxin deletion mutantとの結合を調べた。これまでに行った酵母での実験結果と同様に、zyxinのLIM domain 3が、SIRT1との結合に必要であることが示された。 本研究は論文として発表され(Fujita Y.et al., BMC Cell Biol.2009, 10:6)、大きな反響を得ている。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Zyxin is a novel interacting partner for SIRT12009
Author(s)
Fujita, Y., Yamaguchi, A.Hata, K., Endo, M., Yamaguchi, N., Yamashita, T.
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Journal Title
Peer Reviewed
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