2010 Fiscal Year Annual Research Report
老化関連因子SIRT1による神経細胞死抑制メカニズムの解析
Project/Area Number |
09J05137
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 幸 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SIRT1 / zyxin / 脱アセチル化 / Yeast Two-Hybrid法 / アポトーシス / NAD/NADH / 核内移行シグナル / 免疫沈降法 |
Research Abstract |
生物の発生過程では、細胞の生死決定が巧妙に制御されている。中でも神経発生の過程では、大過剰の未熟な神経細胞が自発的な細胞死により除去され、残りの生存神経細胞が一生にわたって神経機能の維持に寄与する。そのため、「発生過程において死ぬべき細胞を的確に除去すること」は、正常な神経機能の獲得に必要不可欠なプロセスである。申請者はこれまでに、細胞死を制御する細胞内シグナルの一端を解明するため、ヒストン脱アセチル化酵素SIRT1に着目し、各因子の細胞死制御における役割を解析を進めている。これまでに以下の結果を得ている。 1.SIRT1の新規結合因子としてzyxinが同定された。 2.酵母細胞において、SIRT1との結合にはzyxinのLIM domain 3が必要である。 3.zyxinがSIRT1の基質として脱アセチル化される。 これらの研究結果は論文として発表され(Fujita Y, et al., BMC Cell Biol. 2009, 10 : 6)、大きな反響を得ている。 さらに、申請者は、中枢神経系におけるSIRT1の機能を詳細に調べるため、脳組織におけるSIRT1の発現分布について検討している.また、in vivoでのSIRT1の機能を調べるため、SIRT1の発現をRNAiで抑制し、アポトーシス細胞の増減をTUNEL染色で検討する予定である。具体的には、SIRT1 shRNAベクターを作成し、in ovo electropolation法によりニワトリ胚網膜細胞に導入し、SIRT1の発現を抑制することを試みている。
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Research Products
(1 results)