2009 Fiscal Year Annual Research Report
セラミドキナーゼの発現調節並びにスフィンゴシンキナーゼ1のGAP43発現への関与
Project/Area Number |
09J05151
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村上 真史 Nagoya University, 医学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セラミドキナーゼ / 全トランス型レチノイン酸 / 転写因子 / COUP-TFI / スフィンゴシンキナーゼ1 / GAP43 / GDNF / RET |
Research Abstract |
(1)セラミドキナーゼの全トランス型レチノイン酸(ATRA)による分化誘導時の発現調節機序の解明 ヒト神経芽細胞腫細胞株SH-SY5Y細胞のATRAによる、セラミドキナーゼ発現の低下に重要な転写因子の同定をゲルシフトアッセイ、クロマチン免疫沈降法にて試みた。その結果、転写抑制因子であるCOUP-TFI(Chicken ovalbumin upstream promoter transcription factor I)が最も重要であることがわかった。また、同じ領域に転写抑制補助因子N-CoR(Nuclear receptor corepressor)、SMRT(Silencing mediator of RARs and TRs)、さらにHDAC3(Histone deacetylase 3)が結合していることも明らかとなり、この領域でこれらの因子が複合体を形成していることが考えられた。これらの結果をまとめてJ.Neurochem.に論文化した(112;511-520,2010)。 (2)スフィンゴシンキナーゼ1(SPHK1)によるGAP43発現調節機序の解明 我々は2007年にSPHK1 siRNAにより、GDNFによって誘導される神経分化マーカーのGAP43発現が抑えられると報告した(Murakami et al.J.Neurochem.2007)。そこで、SPHK1とGAP43の関連をさらに解析するために、GDNFの受容体であるRET陽性のヒト神経芽細胞腫細胞株TGW細胞を用いてwild type SPHK1(SPHK1-WT)、dominant negative type SPHK1(SPHK1-DN)過剰発現株を樹立し、GDNF刺激時のGAP43発現の変化をMock細胞と比較した。その結果、SPHKI-WTでは、発現が増強し、SPHK1-DNでは、GDNFによるGAP43発現に変化が認められなくなることがわかった。
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Research Products
(3 results)