2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J05199
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 直也 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フジコナカイガラムシ / EST / endocrocin |
Research Abstract |
フジコナカイガラムシ色素の生合成遺伝子を取得することを目的とし、二次元電気泳動、サブトラクション(SSH)法、PCR、サザンブロットを用いて色素生合成候補遺伝子の取得を試みたが、いずれの方法でも候補遺伝子の取得には至らなかった。そこで、フジコナカイガラムシに発現するmRNAを網羅的に解析するためにESTデータの取得を行った。その結果、60~300bpの配列が212601個得られ、Contigの作製などの処理を行った結果、63278個の独立した配列が得られた。色素の主成分であるendocrocinを生合成する可能性があるのは、ポリケタイド生合成酵素(PKS)あるいは脂肪酸生合成酵素(FAS)と類似した酵素であると予想され、BLAST検索の結果PKS遺伝子と相同性を有する配列が33個得られ、FAS遺伝子と相同性を有する配列が152個得られた。この中でendocrocin生合成に必要とされるドメインと相同性を有する40個の配列について、RACE法を用いて部分配列あるいは全長配列の取得を行った。RACE法を用いて得られた塩基配列について、PKSやFASと相同性の低いものは候補配列から除外した。また、同一遺伝子由来の配列もあった。最終的に40個の配列から19個の配列に絞られた。これらの配列が持つドメインについてPfamを用いて解析を行った。その結果、endocrocin生合成に不要なドメインを有する配列が15種あり、残りの4種の配列をendocrocin生合成の最有力候補配列とした。4種の最有力候補配列について、dsRNAをそれぞれ合成し、RNAi実験系を確立した。4つの最有力候補配列についてRNAiを行い、虫体内のendocrocin量がコントロールに対し減少しているかについての解析を行ったが、結果にばらつきが見られるため、現在実験系を再検討している。
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Research Products
(1 results)