2009 Fiscal Year Annual Research Report
溶融金属中介在物挙動の高精度予測手法および新規超清浄金属素材製造技術の開発
Project/Area Number |
09J05222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新井 宏忠 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 異種凝集 / 介在物 / 清浄金属素材製造 |
Research Abstract |
溶融金属中の非金属介在物の凝集挙動については、種々のコールドモデル実験や溶融金属系での実験、あるいは計算モデルによる解析がなされている。これらはいずれも単一種の介在物粒子挙動に着目してきた。溶鋼系ではAl_2O_3系介在物を対象とした研究がほとんどであるが、それ以外にもスラグ巻き込みに起因した液相介在物や他種の非金属介在物との凝集も生じ得る。 そこで本研究では、溶融金属中における異種介在物同士の凝集やスラグ滴と介在物の合体挙動に着目し、新たに異種凝集モデルを構築した。また、乱流下における異種凝集挙動を調査するために機械式攪拌槽を用いた水モデル実験を行い、モデル計算との比較を行った。本実験では、同材質であるが粒径の異なる2種類のPMMA粒子を用いた擬異種凝集実験を実施した。 従来、凝集現象の速度論的挙動はポピュレーションバランス式が用いられてきた。しかし、この式は単一種の粒子のみが存在する系にしか適用できない。そこで、ポピュレーションバランス式を拡張し、異種(二種)凝集を考慮した離散的ポピュレーションバランス式を新たに導出した。さらに、上式のままでは計算負荷が非常に大きいので、少ない計算量で粒子の質量を保存したまま、凝集の進行を精度良く表現可能なDPSG(Dual Particle-Size-Grouping)モデルを新たに開発した。これにより、異種凝集の速度論的挙動の基礎理論が確立された。 また同時に、水モデル実験による異種凝集モデルの評価、検証を行った。その結果、モデル計算と実験値は概ね一致した。よって、本研究で構築した異種凝集モデルを用いることで、異種凝集過程を表現できることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)